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「結局、俺の独りよがりだったって事なんだな…」
数十枚にわたるグラフと表にまとめられたレポートを見て、C社長は力なく呟いた。
「本当に言われたとおりだったな…」
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先日、ある会社からサービスを勧められて社員全員に行ってもらった。
それは、うちの社員が普段思っていることを「見える化」するというものだ。
そのサービスを勧めてきたのは「組織コンサルティング?」という事を生業にしている会社とのことで、
曰く「簡単に言えば、会社を人に見立てて、客観的に会社の健康状態を測ったうえで、『あるべき姿』になるための支援をするサービスです。」
ということらしい。
会社の健康状態?あるべき姿?
こいつは何を言ってるんだ?
というのが正直なところだった。
さらに続けてそのコンサルタントは、
「実は先日、ある会社の方にこのサービスを勧めたときに、こんなことを言われてしまったんですけどね。」
『これって、結局お金を払って見たくもない事を見て、凹むって事だよね。』
お金を払って凹む?
ますます訳が分からない。
「しかし、そのお客様には、こう伝えました。」
「はい、その通りです。」と。
「事実は時に残酷です。良かれと思って社員に接していた事を裏切られるような結果や、腹の立つ結果が出る事もあり、経営者としてはやり切れない気持ちになる場合もあります。
もし人間に例えるなら、健康に気を使っていたつもりが、健康診断の結果『あなたの健康状態は相当悪いですね。』なんて言われたら、それはショックですし、『いや、そんなことはない!」など言いたくなりますよね。
しかし、その健康診断結果は事実ですし、それを放っておいたらますます悪くなるばかりです。
どこがどんな原因でどの程度悪くなっているのか?
つまり、何かを改善したい場合は、まず現状を正しくきちんと認識することがスタートとなります。」
といって、そのコンサルタントはサービスのレポートサンプルを提示してきた。
そのサンプルを見てみると、いくつかの社員の意識に関する項目がデータとしてまとめられていた。
役職別等、色々な区切りでも社員が普段思っていることが分かるようだ。
「社員が思っていることを見える化するか…」
もしかすると、自分が普段感じているこのやり切れない気持ちやジレンマも解消できるのかもしれないと、このやり切れない気持ちに、微かではあるが光が見えるような気がした。
サービス内容としては、社員全員に無記名でスマホやPCから質問に答えてもらい、集計し考察を行うというものだった。時間も各自15分ほどで終わるとのことで業務にも支障なく行えそうだったので、
「試しにこのサービスを行ってみることにするよ。」とコンサルタントに伝えると、
「ありがとうございます。」という言葉に続いて、
「念の為、再度お伝えしますが、このサービスの結果は、C社長にショックを与えるかも知れません。その結果によって、自分を責めたり、社員の方を責めたくなる場合もあるかもしれません。」
「それでもよろしいですか?」
その言葉に少し苛立ちを感じたが、
「ああ、分かったよ。そのサービスをお願いするよ。」と答えた。
その後、
メールなどで数回の打ち合わせを行ったあと、
約2週間ほどで、実施した結果のレポートが送られてきた。
どんな結果なのか、見たいような見たくないような気持ちで目を通すと
そのレポートの結果は残念ながら、C社長のやり切れないこの気持ちをさらに苦しい気持ちにするものだった…
「結局、俺の独りよがりだったって事なんだな…」
※この物語はフィクションです。
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C社に行ったもらったのは「組織活性化診断Revital」という弊社のサービスになります。
従業員の方にアンケート形式で質問項目に答えていただき、データ化し、考察を行うというツールです。
今回のC社の診断結果についてはこちらで紹介しています。
→【C社レポートから見えてくるもの】C社は実際どんな状況だったのか?
実際にこのサービスを受けていただいた会社の方の中には、少なからずC社長のように結果に対してショックを受ける方もいらっしゃいます。
しかしながら、この結果を見る際に重要なのが、前回の物語にも出てきた「事実と感情の分離」です。 ショックを受けていることを認めつつ、その感情とは分離して事実に向き合いどのようにアクションを行っていくかを考えることが重要となってきます。
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